2011年10月4日火曜日

葉加瀬太郎 海外から被災地支援 ネット駆使 義援金1000万円集める


全国公演中のバイオリニスト、葉加瀬(はかせ)太郎(43)は、3月の東日本大震災発生当時、ロンドンにいながらインターネットを活用して被災地支援に取り組んだ。ツイッターで告知して行ったチャリティー演奏や募金活動では、5日間で集まった義援金は日本円で約1千万円にも。その様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」にもアップされ、日本のファンの目にも触れることになった。
 約4年前からロンドンに在住する葉加瀬は、昨年12月からツイッターを始めた。震災発生直後は、ネットで知った避難所や救援物資の場所などを、ロンドンからツイッターで発信。3月14日には「ロンドン三越」でチャリティー演奏と募金活動を行うことをツイッターで告知し、約700人の聴衆を集めた。17日まで駅や食料品店でチャリティー演奏を行い、この活動はツイッターで知り合った留学生らによってユーチューブにアップされ、現地のメディアでも報じられた。「ネットのおかげで多くの人とずっと繋(つな)がりながら物事を進められた。緊急事態だからこそ、人との繋がりの強さを確認できた」と振り返る。
 反響はすぐに表れ、現地で音楽を学ぶ学生たちから「一緒に支援活動をさせてほしい」という声が寄せられた。この志願者との共演を実現するためにロンドンの「カドガンホール」支配人に交渉し、無料でホールを借り、3月18日には約2時間のチャリティー公演を企画。チケットは約10分で完売したという。集めた義援金は日本赤十字社に寄付した。
これらのチャリティー演奏で披露したのが、自身が手掛け、4月2日まで放送されたNHK連続ドラマ小説「てっぱん」のオープニングテーマ曲「ひまわり」だった。震災直後は「てっぱん」の放送は中止されていた。「震災が起きるまでの『何でもない幸せな日常』の象徴のようになった曲を弾き、聴いてもらいたいと思った。皆に元気になってほしい、と祈りながら弾いていた」という。4月の日本ツアーでは復興への願いを込め、来場者全員にヒマワリの種も配った。
 8月に最新アルバム「THE BEST OF TARO HAKASE」(ハッツ・アンリミテッド・3150円)をリリースし、9月に「コンサートツアー2011 ザ・ベスト・オブ 葉加瀬太郎」をスタート。全国43公演の全ての会場に募金箱を置く。音楽を被災地支援に結びつける方法を、今も考えている。

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