2011年3月24日木曜日

「ネット風評被害」に悩まされる芸能人が立ち上がるとき


神田うのがネットの噂話に激怒している。その内容とは、彼女が「16年前、阪神淡路大震災の時の被害で死亡した人数を賭けていた」というものだ。オフィシャルブログ「UNO Fashion Diary」の"悲しすぎるネット被害"と題された23日の記事には以下のように、本人が長年いわれのない誹謗中傷に悩まされていた事を伺わせるような記述が見られる。

「これ以上の我慢も限界に達してしまいましたので、書かせていただきますね。」
「悪意に満ちた事実無根のつくり話で誹謗中傷され またか・・・と思いながら、ただただ傷付いてきましたが」
「想像しただけでも恐ろしい事実無根の事実無根の酷い作り話しがネット上を駆け回っており」


 と、当然ながら本人は心を痛めているようだ。この噂、数年前からネット上の掲示板などに書き込まれており、今回の東北関東大震災をきっかけとして、再び話題になったようだ。本人のブログのコメント欄にも「謝罪しろ!」などのコメントが書き込まれていたという。実際のところは、阪神淡路大震災の時に19歳だった彼女は50万円を寄付しており、今回の震災でも日本赤十字社に1,000万円を寄付しているのだから、ショックは大きいだろう。

 このように、ネットにおける芸能人への"根も葉もない噂"が大きくなったという事例は過去にもある。お笑い芸人スマイリーキクチの誹謗中傷被害を覚えている方も多いのではないだろうか。かつて東京都足立区で発生した「女子高生コンクリート詰め殺人事件」にキクチが関与しているという虚偽の書き込みがなんと2000年前後から、約10年間に渡って続いていたというものである。本人のブログにも同様の書き込みが相次ぎ、所属事務所や本人が否定しても一向に収まらなかった。ついには警視庁も動き、捜査一課と中野署が、名誉毀損と傷害容疑で計6人を書類送検するという事態に。その6人は「コンクリート詰め殺人事件 あんた殺人犯 死ねば」「生きる資格はねーんだよ ふざけやがって てめえパンチくらわす」などという呆れた書き込みを行っていた。

 そもそもネットは記事のコピーも容易で、拡散しやすく噂が広まりやすい。そのうえ匿名性が高く、誰がそのデマを流したかという事もすぐには分からない。この性質により、感情的なネットユーザーがしばしば芸能人を攻撃する現象は、もはや見慣れた光景だ。しかし芸能人にとってイメージというものは何よりも大事であり、即、仕事に直結する。
イメージが悪くなれば仕事も減ってしまうことになりかねない。芸能人から被害届を出されれば、警察が動く可能性は高いだろう。警察は著名人からの被害届には迅速な対応をする傾向があるからだ。逮捕されれば、内容によっては起訴され、前科がつく。また、発信者を特定して民事訴訟を起こされる可能性も考えられる。その場合、民事裁判の被告となり、法廷に立たなければならない。いずれにせよ、調子に乗って書き込みを続けている発信者は、被害者が動けば、それ相応の報復を受けることになる。神田うののケースにおいては、まだ本人が黙殺しているため、発信者がのさばっていられるとも言える。

 現在、ネットは有用なツールとして生活の一部になっているが、例えば他人の書いた文章を許可なくコピペしたり(著作権法違反)、今回のように裏を取っていない事柄をさも事実であるかのように広めたり(名誉毀損)など、法を無視した行動が散見される。今後、このようなネットユーザーの自由な振る舞いに対して、きちんと対処しはじめる芸能人が増えていくのではないだろうか。

(※画像は神田うの公式サイトより)

2011年3月21日月曜日

ふざけるな! その4 「大震災に関する最も無神経な発言」米人気コメンテーター、大物政治家報道官も。米著名人、巨大地震について失言相次ぐ


米著名人の間で、東北関東大震災についての失言が止まない。今度はCNBCの人気コメンテーターと、米南部ミシシッピ州知事の報道官の失言が明らかになり、コメンテーターは謝罪、報道官は辞職に追い込まれた。

経済専門の米ケーブルニュース局CNBCの人気コメンテーター、ラリー・クドロー氏(63=写真中央)は11日、日本の大震災発生直後のマーケット情報を伝える生放送中、こんな失言を発し大問題となった。世界経済第3位の経済大国の日本を揺さぶった大震災では、発生当初から世界経済への影響が懸念されたものの、米現地時間の11日のマーケットではNYダウ平均株価などの指標にそれほど落ち込みが見られなかった。それを受け、クドロー氏は「経済へのダメージよりも、日本の大震災の犠牲者の数のほうが、はるかにひどいことになっているようで、これについては、ありがたいとしか言いようがないわけですね。」と生放送で発言した。

経済への影響が少なかったことが「ありがたい」とコメントするだけなら、まだよかった。しかしクドロー氏は「地震の犠牲者が多数出た」ことに比べて「投資家への影響が少なかった」ことの方が「ありがたい」と言わんばかり。「投資に影響があるかないか」ということだけに関心を持ちがちな、ベテラン経済評論家としての本音が見えてしまい、批判の声があふれかえった。ヴァニティ・フェア誌電子版では「チャンネルを替える視聴者の数が増え、CNBCもありがたいのでは」と氏のコメントをもじって皮肉。ロサンゼルス・タイムズ紙電子版でも「大震災に関する最も無神経な発言」と評した。

批判を受けてクドロー氏は「経済損失に比べ日本の人的損失が重要でないという意味の発言ではない。口をすべらした。心から謝りたい。」と公式ツイッターで謝罪した。

また、米ミシシッピ州のヘイリー・バーバー知事(63)の報道官、ダン・ターナー氏も無神経な発言で問題に。同僚らに宛てた11日の電子メールの中で、伝説の黒人ソウル歌手オーティス・レディングの曲『ドック・オブ・ザ・ベイ(原題 The Dock Of The Bay)』について触れ「この曲は今の日本じゃ、大ヒットにはならないけどね。」などと書いた。この歌詞には「サンフランシスコの港のドックに座り、潮がうねるのをただ眺めて時間を費やした。」などとあり、レディングが飛行機事故で不慮の死を遂げる3日前に録音され、死後ヒットした曲である。
ターナー氏の電子メールには他にも、ジャネット・レノ元米司法長官や、70年代のカンボジア大虐殺についての悪趣味なジョークが書かれていた。

政治専門紙にこのメールの内容がすっぱ抜かれ、悪趣味だと批判されたターナー氏は14日、報道官を辞任した。バーバー知事は野党・共和党のベテラン議員で、来年の米大統領選挙に出馬が予想されているほどの大物。自分の右腕とも呼べる報道官の「失言メール」の内容については知らなかったといい、ターナー氏は「全ての失言の責任は自分にある」と非を認めている。